建売住宅は注文住宅よりも寿命が短いという噂があります。
今回は建売住宅と注文住宅の寿命のちがいについてお話します。
結論から言ってしまうと、建売住宅と注文住宅の寿命に違いはありません。
なぜ2つの種類の建物の寿命に違いがないといえるかというと、以下の2つの理由があります。
理由① 建築基準法でルールが決められている
1つ目の理由は、建売住宅と注文住宅はどちらも同じ建築基準法に従って建てられているからです。
建築基準法とは、耐震性や耐久性などの品質を保つために決められた法律です。
建売住宅か注文住宅かに関わらず、この基準法にのっとって建築前、建築中、完成後に検査が実施されます。
また、建築基準法を守るためにより細かいルールを決めた、建築基準法施行令という法律もあります。
理由② 住宅品確法で保証されている
2つ目の理由は、建売住宅と注文住宅はどちらも同じ住宅品確法で品質を保証されているからです。
住宅品確法とは、住宅の品質を一定に保つために決められた法律です。
2000年に決められた内容では、住宅が引き渡されて10年以内に欠陥が見つかった際は、売主に無償で補修してもらえると決められています。
ただし、引き渡しの際に見つかっていなかった欠陥だけが補修の範囲内で、事前に説明された欠陥は含まれないので注意が必要です。
上記で説明した通り、建売住宅と注文住宅はどちらも同じ法律に従って建てられているので、寿命に違いはありません。
ではなぜ建売住宅は注文住宅より寿命が短いという噂があるのでしょうか?
噂の原因の1つは、1981年に建築基準法が大きく改正される前に建てられた建売住宅にあります。
改正前の旧耐震基準に沿って建築された建売住宅は、改正後に建築された住宅よりも耐震性が低く、そのイメージが残ってしまったのです。
また、好景気だった高度経済成長期からバブル期にかけては、大量の建売住宅が建築・販売されました。
いくらでも売れる時代だったので、なるべく多く建築しようと、手抜き工事が行われたケースも多かったようです。
これらの原因により、古い建売住宅は耐震性などに問題があり寿命が短いケースが多かったため、建売住宅は寿命が短いといわれるようになりました。
しかし、現在では建築基準法や住宅品確法に則った建築がおこなわれているため、注文住宅との寿命の差はなくなっています。
建売住宅の寿命の長さをお話した際に、法定耐用年数は20~30年ほどだが、メンテナンス次第で50~60年まで延ばせると説明しました。
次回は具体的にどういったメンテナンスをすれば寿命を延ばせるのかについてお話します。