先日、3大メガバンクが10年固定型の基準金利引き上げを発表しました。
今回はなぜ10年固定金利が上昇したのかそのワケをお話します。
なぜ金利が上昇したかというと、これは米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和政策の引き締めを急ぐとの見方から米長期金利が急上昇しており、これが国内長期金利に波及したためです。
長期金利とは一般的に10年国債の利回りを言い、国債の価格が下がると利回りは上がり、国債の価格が上がると利回りは下がるという負の相関関係にあります。国債は投資家にとって安全資産なので、多くの投資家がリスクを回避したいタイミングには買われて価格が上がり、逆にリスクを取るタイミングには売られて価格が下がる傾向があります。
つまり、米国の長期金利が上がっているというのは、米国債が多く売られて市場での価格が下がったことを言い換えただけのことです。安全資産として米国債を保有している投資家は同時に日本国債も保有しており、米国債を売る際には日本国債も売る傾向があるため、日本国債の価格も下がっています。この現象を指して、「米国の長期金利上昇が日本の長期金利に波及して上昇している」といいます。