土地・戸建て・マンションなどの不動産物件には、一般の人が誰でも見ることができる「公開物件」と特定の人しか見ることができない「未公開物件」という2種類の物件があります。
今回は「未公開物件」とはどのようなものかお話します。
不動産の売買・賃貸物件は売主の承諾を得ることができると、チラシやWebサイトに載せることができます。そうするとたくさんの人がその不動産物件を見られるようになります。
皆さんがいつも見ているチラシやWebサイトの物件は「公開物件」と呼ばれます。それとは逆に「未公開物件」というのは、売主の事情等により大々的に広告宣伝を行いたくないという理由から、チラシやWebサイトなどにあえて載せていない物件です。
一般的には不動産物件の中の約4割が「未公開物件」だと言われています。不動産物件はたくさんの人に見てもらったほうが早く契約が決まりそうですが、なぜあえて「未公開物件」にするのか?その理由をお話します。
理由① 不要なトラブルを避けるため
現在はインターネットですぐに情報を得られる時代です。不特定多数の人が不動産物件情報を見た場合、不動産会社を介した内覧者だけでなく、住所を特定して外観だけでも見に行ってみようとする人などさまざまな人が現地を訪れるという事態になりかねません。
もしそうなった場合には近隣住民からクレームが寄せられたり、まだ物件に人が住んでいる場合は家を覗き込むようにうろうろとしている人がいたら、怖いと感じる人が大半ではないでしょうか。
不要なトラブルを避けるためにも未公開物件とし、特定の顧客にだけ物件を見てもらうことができれば、売主・貸主は安心して仲介会社に契約まで任せることもでき、買主・借主からしてもスムーズに契約まで運べるメリットとなるのです。
理由② 特定のエリアに強い仲介会社に任せたい
売主・貸主は全国的にいろいろな人が見るWebサイトより、地域のことをよく知る仲介会社に物件を任せたいという場合もあります。
信頼している仲介会社に来る顧客であれば、売主・貸主としてもより安心して物件を引き渡すことができるからです。
理由③ 優良物件である
不動産物件の中には優良物件と呼ばれる、立地・築年数・土地面積など条件のよい物件があります。
優良物件であれば、公開物件にしなくてもほとんどの場合が契約まで進みます。せっかくの優良物件ならば、いい買主・借主と契約したいというのが売主・貸主の心情でしょう。
安心と信頼のおける仲介会社に任せてあえて未公開物件として紹介してもらうことでよりよい契約ができるようにと考えることも多いです。
理由④ 法令等によりまだ公開できない
不動産の広告は法令により、広告開始のタイミングが決められており、新築物件であれば「建築確認」の許可が下りた後、中古物件であれば売主から正式に書面で売却の依頼を受けた後でなければ、売り物件として広告することはできません。
したがって、その前には、たとえ売却の意向があっても一般に公開することはできません。