数千万円の不動産を現金一括で購入するという方はあまりいないと思います。
ほとんどの方が不動産の購入資金を住宅ローンで組みます。
特に、日本は超低金利時代が長く続いているため、ローンの金利と賃貸収入の利回りの差を利用した不動産投資を行っているという方も多くいらっしゃいます。
しかし、ローンを前提として不動産を購入する場合、融資を受けられなければ、不動産の購入自体が事実上不可能になってしまう場合もあるでしょう。そのような場合に不動産売買契約そのものを白紙にすることができるのが「ローン特約」です。
ローン特約とは何か?
買主側の事情によって不動産売買契約を解除する場合、通常であれば支払い済みの手付金は返還されず、場合によっては違約金が発生することもあります。
しかし、ローン特約が契約条項として入っており、かつローンが不成立だった場合、不動産売買契約そのものを解除して、契約を白紙に戻すことが可能となります。
このような場合、手付解除や契約違反といった契約解除にあたっての条件は適用されません。
ローン特約にも、大きく2通りがあります。
ひとつは、融資承認が得られるか、得られなかったかの結果が出た時点で、自動的に不動産売買契約が成立、あるいは白紙になる「条件型」(「解除条件型」あるいは「停止条件型」)、もうひとつは、買主に「契約を解除する権利」を与える「解除権留保型」(解除権をもつ買主が、売主に対し解除の意思表示をすることにより契約解除を行う)です。契約締結時には、このどちらの契約になっているのか、また詳細な条件がどう定められているかの確認が必要です。