結婚してすぐに借りたアパートで時の流れとともに荷物も増えて、子供もだんだん大きくなってきて、2DKの間取りもちょっと手狭になってきた。
そういえば来年の春には賃貸契約の更新時期だから、また更新料を払わなくちゃいけないなあ・・・・・
っとそんな時に、新聞に折り込まれていた不動産広告を見ながら交わされる夫婦の会話に、これに似たパターンはありませんか?
【家賃はドブに捨てるようなもの】
【月々7万円~!家賃並みの支払いで夢のマイホームが買えます!】
妻「家賃と同じ支払いでマイホームが買えるんだったらいいよね」
夫「そうだね。しかも今より広くて新しいんだもんな。」
妻「とりあえず不動産会社に行ってみる?」
こんな流れで、マイホームの購入を検討し始める方も結構いらっしゃると思います。
ところが実は、不動産広告のこの手の謳い文句には落とし穴がいっぱい。
今日は、その広告の中身を簡単に検証し、主に住宅ローンに関することについてチェックポイントをお伝えしましょう。
金利は何%で計算されている?
ほとんどのケースで「変動金利」や一年・二年の「特約固定金利」など、現在時点で最も低い金利で計算されているはずです。
ところが、変動金利も特約固定金利も、将来の金利についてはもちろん、保証されてはいません。
私たちは長く続いた低金利にすっかり慣らされてしまいましたが、住宅金融公庫の過去二十年間の平均金利は三・八六%。金融機関が皆さんにお金を貸す際にも、「金利四%程度でもあなたが返済できるか」を審査しているのです。
金利が今後、ゆるやかな先高傾向にあることを織り込んで計算しておかなければ、家賃との比較はできません。また金融機関が四%で審査しているなら、住宅ローンを借りる側も「もし金利が4%に上がったら」という想定で、支払いができるかチェックしておく必要があります。
ボーナス払いと併用になってない?
月々の支払いは家賃並みに抑えられていてもボーナス時に何十万も支払うのでは、やはり比較はできません。
毎月の支払いのみの計算なのか、それともボーナス時に別途でローンを支払う計算になっているのか、よく確認しましょう。ボーナス併用の計算になっている場合には、月々のみの支払いにならしたうえで家賃と比較する必要があります。
コストをすべて織り込んでいる?
住宅購入には様々なランニングコストがかかります。
例えばマンションの場合、管理費や修繕積立金、駐車場や専用庭の使用料などです。
一戸建ての場合ももちろん、自分で修繕費を見込み、月あたり一万円以上の積み立てが必要です。
給湯器など設備の交換、外壁や屋根の塗り替え時期も、十五年程度でやってきます。
それから、固定資産税が毎年かかることも忘れてはなりません。
住宅ローンの保険料が毎年払いになっていることもあります。
マイホームを持つことでかかるコストをすべて踏まえて、計算する必要があるのです。
歴史的な低金利時代である今、マイホームを欲しい人にとっては購入チャンスと言えるでしょう。
ただ、不動産広告にはありのままのことがわかりやすく記載されているわけではありません。
重要なことは往々にして、すみっこの方に小さな文字で書かれていたりします。
広告はじっくり読み込んで、その本質をよく見極めてください。