埼玉開発株式会社 > 埼玉開発株式会社のスタッフブログ記事一覧 > 高層ビルは容積率オーバーしている!?

高層ビルは容積率オーバーしている!?

カテゴリ:不動産コラム
物件情報を見ていると、「容積率」「建ぺい率」という項目を目に付くと思います。

「容積率」は、敷地面積に対して建築可能な合計床面積=「延床面積」。

本題に入る前にもう少し建ぺい率と容積率について説明します。

建ぺい率とは?
建築物の建築面積の敷地面積に対する割合。
つまり、建ぺい率が100%であれば、敷地との境界線に至るまで目一杯に建築物を建築できます。
対して、建ぺい率が50%であれば、敷地面積の半分しか建築面積として利用できないことになる。敷地内に空地が作られます。


容積率とは?
敷地面積に対して建築可能な合計床面積=「延床面積」となります。

ただし、以下の床面積に関しては、延床面積から除外されます。
・地下室(合計床面積の1/3)
・共同住宅の共用部分
・車庫(各階の床面積の1/5)


高層ビルは容積率をオーバーしてる?



都心には、高層ビルやタワーマンションなど何十階建てもの建物がひしめき合っています。

1フロア分の床面積が敷地面積の半分(50%)だったとして、50階建てのビルの場合、単純計算で2500%もの容積率が必要になってしまう。
商業地域でも容積率の最高値はたったの1300%。
容積率オーバーで違法建築になっていないのでしょうか?

解決の糸口は、
・高度利用地区
・特定街区
・特定容積率適用地区

という3種類の特殊な地区にある。

「高度利用地区」とは?
現在は低層住宅が数多く建っていて開発が進んでいないが、今後は高層ビルの開発予定がある地区を「高度利用地区」と呼びます。
都市計画法第8条に規定されている「地域地区」のひとつです。
容積率は200%~800%。

東京の「六本木ヒルズ」や「晴海トリトンスクエア」がこの地区に該当しています。


「特定街区」とは?
都市再開発の方針において、再開発促進地区又は再開発誘導地区として位置付けられている区域を「特定街区」と呼びます。
敷地内に設ける空地の規模や緑化の状況などに応じて容積率が加算されます。

西新宿の高層ビル街や、池袋サンシャインシティ、横浜のランドマークタワーなどが該当しています。


「特定容積率適用地区」とは?
新丸ビルは1760%という容積率になっています。
これほど高い容積率が認められている理由は、東京駅の「空中権」を利用しているからです。
このような地区を「特定容積率適用地区」と呼びます。

東京駅敷地の利用されていない容積率=空中権を三菱地所が購入したため、新丸の内ビルの敷地は特定容積率適用地区となりました。
新丸の内ビル敷地の容積率は1760%、東京ビル敷地は1720%となっている。

容積率の制限はせいぜい1700%程です。
このように日本でも最高水準の容積率は「新丸ビル」の敷地で1760%です。

日本の高層ビルはどうやって容積率の制限をクリアしているのか。
敷地面積と延床面積を調べたら答えが分かりました。

・横浜ランドマークタワー 地上階数 70階 敷地面積 38,062  延床面積 392,885 容積率概算 1,032%

・新宿三井ビル 地上階数 55階  敷地面積 14,449 延床面積 179,579 容積率概算 1,242%

・新丸の内ビル 地上階数 38階 敷地面積 10,021 延床面積 195,490  容積率概算 1,950%


答えは簡単でした。
高層ビルは、敷地に空地を大きく設けることで、容積率が1000%程度で収まるようにしていたのです。
新丸ビルに関しては、地下や車庫の容積率緩和制度を利用しているものと思われます。

≪ 前へ|不動産を相場より高く売るって可能か?   記事一覧   日高市高麗川2丁目周辺の清掃活動を行いました。|次へ ≫

柳田 直喜 最新記事



柳田 直喜

「住まいで困った事があれば、埼玉開発へ!!」と安心で頼られる存在であり、心地良い豊かな生活を送るため、お客様ひとりひとりの夢と希望を実現していくお手伝いをさせていただきたいです。 また歩く金融機関と言われる程、住宅ローンに強いです。

スタッフ情報を見る

トップへ戻る

来店予約