プレハブって仮設の事務所みたいな建物をイメージしますか?
本日はプレハブ住宅についてお話します。
プレハブは、「プレ・ファブリケーション(Prefabrication)」や「プレ・ファブリケーテッド(Prefabricated)」を略した言葉です。
「プレファブ」が「プレハブ」になったのですね。和訳すると「製造済み」「あらかじめ製造する」といった意味になります。
工場で、あらかじめ住宅の各パーツを製造し、その状態で運ばれ、現場で組み立てられる「工法」を指す言葉です。プレハブ工法で建築された住宅が「プレハブ住宅」です。
日本では、1960年ごろからプレハブ住宅の着工数が徐々に増え、1993年ごろをピークに減少に転じましたが、その後、微増減を繰り返しています。
60年近く歴史のある工法なのです。
ユニット住宅やユニットハウスと似ていますが、プレハブ住宅が現場でパーツを組み合わせて完成させていくのに対し、ユニットの場合は工場を出荷する時点で既に8割がた完成しているため、現場では残り2割を組み立てる程度で済む、という違いがあります。
プレハブ住宅って住めるの?メリット・デメリットは?
プレハブ「住宅」ですから、住むことができます。誰にも邪魔されない、自分だけの空間をローコストで手に入れることができるため、自らプレハブ住宅を購入して住んでいる人もいます。
工場で生産されるため、品質にバラつきがほとんどないのがメリットです。
また、現場では組み立てるだけなので、工期が短く済む点や、一般住宅を建築するときと比べて大幅なコストダウンが見込める点もメリットとなっています。
また、一般的にプレハブ住宅はデザインの自由度が低いというイメージが強いですが、同じ規格内でさまざまなパーツが製造されていることも少なくありません。
たとえばユニットバスなどは、サイズさえ合えばさまざまなデザインのものを選べるのが一般的です。
決して自由度が低いわけではない、というのも特徴です。
一方、デメリットとしては自由度が低くないとはいえ、高いとも言えない点です。
規格内なら選べるものの、やはり一般住宅を建築するケースと比べると各パーツ、間取り、デザイン、レイアウトなどさまざまな面で細かいオーダーはできません。
また、プレハブ住宅では軽量鉄骨が使われていますので、耐火性や耐震性に不安を覚える方も少なくないでしょう。
プレハブ住宅の間取りや耐用年数は?二階建てもあり?トイレ・風呂は?
プレハブ住宅の間取りはさまざまです。
たとえば
6坪(2間×3間)
7坪(2間×3.5間)
8坪(2間×4間)
などのようにワンルーム、DKといったコンパクトなものから
12坪(3間×4間)
15坪(3間×5間)
18坪(3間×6間)
などのように2DK、2LDK、3DK、さらにそれ以上と、規格内で自由自在に間取りを決めることができます。
もちろん、2階建てのプレハブ住宅も多いですし、ゼロから造れるオーダーメードのプレハブ住宅もあります。
プレハブ住宅の耐用年数は、軽量鉄骨の厚さによって19年や27年などに分けられています。
ただし、これは法定耐用年数です。
そのため、19年や27年で「もう住めないほどダメになる」というものではありません。
メンテナンスをきちんと施していれば、40年、50年など住むことは可能です。
中には60年という長期保証をおこなっているメーカーもあるほどです。
もちろん、住宅ですからトイレ、風呂、洗面所、キッチンなどの設置もできます。
プレハブ住宅の間取りや規格に合わせて選んでいくことになります。
トイレと風呂が同室のユニットバスも多いですが、もちろん分けて設置することも可能です。
おしゃれなものも増えていますので、選ぶ楽しさはあるでしょう。
なお、トイレや風呂などを設置する場合は給排水管が必要です。
プレハブ住宅を設置する敷地にある配管から引き込む工事をおこないます。
プレハブ住宅はいくらくらい?どんなメーカーが参入しているの?
プレハブ住宅は床面積や間取り、素材などによって大きく変わってきます。
一人暮らし用であれば、安いものでは80万円程度からあります(ただし生活の基盤とするならあまりお勧めできる価格帯ではありません)。
長期間、快適に暮らしていきたい場合は150〜200万円程度のものが良いでしょう。
2人以上や家族で暮らしたい!という場合、250万円〜900万円など、かなり幅があります。
プレハブ住宅を提供しているメーカーは主にハウスメーカーです。
たとえば大手なら積水ハウス、大和ハウス、パナソニックホームズ、旭化成、トヨタホームなどがあります。
ほとんどが大手のため、品質も一定水準以上が保たれており、意外と「安心して快適に暮らせる」住宅と言えるでしょう。