原状回復費用には敷金が充てられますが、追加請求されることでトラブルとなるケースが多くあります。
国土交通省が公表している「原状回復ガイドライン」では、「原状回復は賃借人が借りた当時の状態に戻すことではない」とはっきりと記されています。
本日は、賃貸物件にお住まいの方やこれから入居契約を控えている方に知ってほしい賃貸物件の床にキズをつけないための方法を紹介します。
床のキズは原状回復費用でも高額です。
退去時のトラブルで多いのが原状回復についてです。
生活上ついたキズや汚れについては「通常損耗」とみなされますが、通常の使用を超えている場合は賃借人に原状回復義務が発生します。
床の張替費用は、1平方メートルあたり約8,000円です。オールフローリングの2LDK(約55平方メートル)ですべての床を張り替える場合にかかる費用の目安は、約44万円とかなり高額です。
しかし、この金額を賃借人が負担するのではなく、耐用年数を考慮して「床の価値」を出します。
クロスや畳、クッションフロアの場合は経過年数が考慮されますが、フローリングの場合、経過年数は関係ありません。
建物の耐用年数をもとに原状回復費用の負担割合を計算します。耐用年数は物件の構造によって異なり、木造なら22年、鉄筋コンクリート造なら47年です。
このことから、物件によっては床にキズをつけてしまうと負担割合も大きくなると考えられます。
賃貸物件はあくまでも「借りている部屋」です。気持ちよく退去できるように、入居時にキズをつけないために対策をしましょう。
①フェルトパット・脚カバー!
家具に直接取り付ける
重量のある家具を直接床に置く場合、家具の底面にフェルトカバーを貼ったり、脚部分にカバーをつけたりすることでキズがつくのを防げます。
キズ防止だけでなく、家具を移動する際にも動かしやすくなるので模様替えもラクにできます。家具の底面に貼りつけるのはフェルト以外に、耐震性のあるゴム製のパッドもあります。同じようにキズ防止にも使えるので目的に合わせて選んでみてください。
②チェアマット・ラグ!
床に直接敷く
人がよく移動する場所や椅子のように動かす家具があると、床の損耗もひどくなります。 とくにリビングやダイニングは、こうした家具が多いので、チェアマットやラグを敷くことをおすすめします。
色を組み合わせて楽しめるタイルカーペットもおすすめです。また、小さいお子さんがいる場合、チェアマットやラグは階下への音防止にもつながるのでお試しください。
最後に、最近はキズがつきにくいフロアタイルを使用した物件も増えています。
内見の際にどんな床材が使われているかチェックしておくと対策しやすくなりますね。 設置する家具やお部屋に合わせて、こちらでご紹介したアイテムを活用してみてください。