現在住宅の建築や購入を検討している人の中には、『自由設計と注文住宅は何が違うの?』『建売とどっちがいい?』と、お悩みになられたことはありませんか?
インターネットや折り込みチラシなどの広告を見ていると、「自由設計」「フリープラン」「注文住宅」「建売住宅」などさまざまな言葉を目にしますが、その言葉がもつ意味合いは異なります。
今回は「自由設計」「フリープラン」「注文住宅」「建売住宅」の違いについてお話します。
①自由設計
自由設計の家は、『建築条件付きの土地の売買契約を結んだ後に購入し、その場所に家を建てる』というものです。
『建築条件付き売地』とは、土地の売主が指定するハウスメーカー、工務店などの建築業者と、売買契約を結ぶことが土地契約の条件になります。
●自由設計のメリット
自由設計の特徴は、間取りの自由度が高いことです。間取りを決めたり提示されていたものを変更したりすることで、費用が高くなることはほとんどありません。(注文住宅の場合、間取りを自由に決められますが費用はその分高くなります。)
あらかじめわかっている土地・住宅の金額内で、可能な範囲で間取り変更をするため、家族の暮らしに合う住宅を相対的に安く手に入れることができます。
もう一つのメリットは、比較的短期間で、暮らしに合う間取りの家を手に入れやすい点です。
土地も建築会社も決まっていますし、間取りはあらかじめ用意されたモデルプランを多少変更する程度なので、比較的短期間で暮らしに合う戸建住宅を手に入れることが可能です。
●自由設計のデメリット
多くの場合は、指定の期限内に建物の間取りプランなどを決めて建築請負契約を締結しなければならず、契約を結んだ時点で、すでに取引を行う建築業者が決まっているため、建築業者を選べません。
また、設備の仕様は建築会社指定のものになりますので、キッチンやバスなどの設備の自由度はかなり低くなります。
②建売住宅
建売住宅とは、土地とセットで販売されている新築分譲住宅のことです。
建売住宅は、土地をいくつかの区画に分けて、仕様が同じ住宅が数棟建てられます。1棟、2棟などの小規模の分譲住宅地から、10棟を超える大規模分譲地まで幅広くあります。大規模分譲地となると、家づくりだかえでなく街並みが整理統一された街づくりと言えるかもしれません。
●建売住宅のメリット
建売住宅は、同じ広さや仕様の家を建てていきます。そのため、資材の購入や工事の工程を効率的に進められるので、どの建て方よりも割安になります。また、モデルルームが公開されていることが多く、出来上がった姿を確認でき、イメージと仕上がりのギャップもさほどありません。
●建売住宅のデメリット
建てられた家を購入しますので、設計の自由度、間取りや設備の選択はできません。自分の欲しい家に見合う物件を探して購入することになります。
③注文住宅
間取りや外観、仕様といったすべてにおいて自由度が高く、自分の思い通りの理想の家づくりとなるのが注文住宅です。注文住宅は、フルオーダー住宅とセミオーダー住宅と大きく2つに分けられます。
●フルオーダー住宅
使用する木材や断熱材などの資材から、窓や扉の一つ一つの仕様など、新築に関わる全てにおいて自分で指定して建築する住宅です。
自由度が高く、自分の思い通りの家を建てることができますが、その分建築知識が必要となります。さらに、他の住宅に比べて圧倒的に手間や時間、そして資金が必要になります。
何よりも自分の理想とする夢の家を建てたい!世界にひとつだけのマイホームを!そんな方が選択する新築住宅の方法です。
●セミオーダー住宅
フルオーダー住宅に比べると、基本的な建築仕様はあらかじめ決められていますが、間取りはもちろん、風呂・洗面台、トイレ、キッチン、建具、フロア材などの住宅設備、外壁の資材、これら全て自由に決めることができます。詳しい建築知識がなくても、建築業者とともに進めていく事ができます。
注文住宅は、このセミオーダー住宅のことを指している場合がほとんどです。
注文住宅の場合は、「今の家を建替える」「家を建てる土地を探して購入する」「使っていない土地に家を建てる」というケースになると思います。
注文住宅を土地探しから始めた場合、家を建てる土地をまず探さなくてはいけません。そのため、家だけでなく土地についての最低限の知識も必要となります。