「住宅ローンを組む時に火災保険の加入は必須」と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
もし災害等で住宅に損害が出た場合に、修繕費等を火災保険の補償でまかなうことで住宅ローンの返済が滞らないようにするため、火災保険の加入は必須です。
では、地震保険はどうなのでしょう。火災保険と同様に必須加入なのでしょうか。
今回は地震保険の加入についてお話します。
結論からお話しますと、住宅ローンを組む時に地震保険の加入は必須ではありません。
ただし、地震保険には「入るべき」とまではいえませんが、入ったほうが良いと思います。
その理由は、日本は諸外国に比べて地震の多い国です。
日本で起こった地震の回数を調べてみると、2019年に日本国内で被害が発生した地震は6回あります。
住宅に被害が出始める震度5弱以上の地震は日本で年間9回起きています。1年にならすと12か月のうち4分の3で発生していることになり、これは少ないとは言えないのではないでしょうか。
地震保険だけでなく保険全般にいえることですが、加入するか否か検討する際、国からの保障・補償が十分ならば「加入する必要なし」という結論になると思います。
逆をいえば、国からの保障・補償が不足する場合は「加入する必要あり」となります。
自己負担する必要がある費用を保険でカバーするというわけです。
では、地震で被害が発生した場合に国の補償はどれくらいあるのか説明します。
災害によって住宅の全壊等の大きな被害を受けた世帯には、「被災者生活再建支援制度」という公的支援制度があり、支援限度額は最大300万円です。
東日本大震災の際は、上記公的支援金に加え善意による義援金があり、これも公的支援として被害にあった世帯に支給されました。その額は100万円。
「被災者生活再建支援制度」と合わせると合計400万円が公的支援金として支給されました。
では、実際にかかった住宅再建費用はどれくらいでしょうか。
東日本大震災で全壊被害にあった住宅の新築費用は、平均で約2,500万円。
公的支援を活用しても、約2,100万円の費用が不足しました。
地震が原因の被害を補償する公的支援は十分でないため、「保険に加入する必要あり」という結論になりました。