マンションの建替実施数が少ない要因は、前回のコラムの最後に少しお話した「建替時期を迎えていない」というだけではありません。
建替えたくても建替えできないマンションが多くあります。
なぜかと言うと、建替えの実施には住民から高額な費用を徴収するケースが多く、また住人の4/5以上の賛成が必要になります。
建替の必要性があるにもかかわらず、建替えられないマンションはたくさんあると推測されます。
けれど、現在築35年以上のマンションは旧耐震基準で建てられた、耐震性の低いマンションであることは事実です。
安全性などの観点から今後10年~20年程で建替えや取り壊しが強制的になされるマンションがたくさん出てくる可能性があるのではないのでしょうか。
国土交通省が平成25年に発表した建物の平均寿命の知見として、RC住宅は68年としています。
私は、これは適切に修繕や管理がなされた結果の数字だと思います。
マンションは、長期修繕計画に則って大規模な修繕をするのが一般的です。しかし、修繕は住民である管理組合の意志次第でその規模や期間が決まります。
修繕積立金の引き上げに住民が納得しない、空室が多く資金が集まらない、このような場合には適切な修繕がなされないこともあるのではないでしょうか。
清掃頻度が少なかったり空室が多かったりするマンションも、建物自体の劣化を早めるものです。一戸建てにも共通することですが、管理や修繕は建物の劣化に非常に大きく影響します。
マンションの寿命を算出するのは非常に難しいですが、以上のことから、旧耐震基準であるマンションや管理状況が悪いマンションは築40年~50年ほど、管理状態などが良好なマンションは60年~80年ほどが寿命の目安となるでしょう。
ただ、最新のマンションは、免震システムの導入や「500年コンクリート」などを使用するなど、建築資材の耐用年数の飛躍的な向上や建築技術が相当レベルアップしていて、日々マンションの質は向上しています。
マンションは、基本的に古ければ古いほど寿命が短いものになるということだけは間違いないです。