本来建売住宅とは、建築会社や不動産会社によって、すでに建てられた住宅を購入するものです。
しかし最近では完成前に売り出されることも珍しくありません。
いずれにしても、自分の意見や希望が取り入れられる余地はほとんどなく、そこが注文住宅と大きく違う点です。
今回は建売住宅を購入する際の注意点をお話します。
1.どこまで妥協できるか基準を設定しておく
建売住宅はすでに間取りや設備が決まっているため、自分の意見や希望が反映される箇所はほとんどありません。
もちろんその分価格が安く、そのメリットを目当てに購入するわけなのですが、あとから「やっぱり収納が少なくて住みづらい」などといっても後の祭りです。
そうならないためにも、「立地条件」「間取り」「設備機器」「駐車スペース」など、まずどこまでなら妥協できるのか、優先条件を明確に設定しておくことをおすすめします。
2.騒音、買い物、周辺環境は問題ないか
ある意味、建物本体よりも重要なのが、「周辺環境」です。建売住宅の場合、建物同様、周辺環境も選べません。すべて好条件がそろうことは、正直あまりないでしょう。やはりここでも優先順位を明確に決めておくべきです。
具体的には、下記の3点からこれだけは譲れないというポイントをチェックしていきます。
1.生活に必要な施設の有無
買い物:スーパーマーケット、コンビニ、商店街
医療施設:病院、薬局、大規模病院までの距離
公共施設:役所、銀行、郵便局、学校、保育園、塾、学習センターなど
2.交通環境
公共交通機関:利用できる交通機関、最寄り駅までの距離、本数、始発・終電時間
道路状況:幹線道路までの距離、渋滞状況、自宅前の道路状況
3.生活環境
公園や緑地、河川敷など、子供が安全に過ごせる場所はあるか
周辺に悪影響が懸念される施設:パチンコ店、歓楽街、風俗店、工場がないか
治安状況:夜に人が集まるような場所、遊技場など、騒音やもめごとなどに注意
3.隠れた部分の不具合発生リスク
残念ながら、建売住宅は工事期間中のチェックができません。
特に、重要な基礎部分や構造体の状況を一度もみることなく購入するわけですから、正直にいって、隠れた部分の不具合発生リスクはゼロではないでしょう。
不具合リスクを回避するには、やはり「信頼できる建築会社」の物件を購入するしかありません。
ではどうやって信頼できる会社をみつければいいのでしょうか。
これは、実際に会社の雰囲気を感じて、これまで建築した実績を確認するしかないと思います。(案外こういう雰囲気って大事なんです)
4.図面や書類がきちんとそろっているか
売買契約を結ぶ際に、きちんと必要な書類がそろっているかどうかは、重要なポイントです。
これは注文住宅でも同じことですが、建売住宅では、書類によって建物の内容・品質を確認する面が大きいですから、特に念入りにチェックしましょう。
しかし、はじめて住宅を購入する人は、そもそもどういった書類が必要なのかもわからないはずです。
下記に主な必要書類をまとめておきますので、書類が揃っているかチェックしてください。(必ず全部の書類が必要なわけではありません)
【引き渡し時の主な書類】
建築確認関係の書類:建築確認申請副本、確認済証、、検査済証
重要事項に関する書類
図面:設計図書、竣工図書、施工写真
保証書類
設備機器類の取扱説明書
地盤調査関係
住宅性能性能評価書
アフターサービス関連書類
鍵
残工事に関する書類
5.各種保証の有無
建売住宅といえども、「新築」という意味では、注文住宅となんら変わりありません。つまり10年間の瑕疵保証責任が義務づけられているということです。
義務ですから改めて保証書という形にしなくても、売買契約書などに記載されていれば特に問題はありません。
その代わり、建築会社独自の保証に関しては、きちんとした「保証書」にしてある方がより安心できます。
以上が建売購入の注意点です。建売住宅購入の参考になれば幸いです。