前回は任意売却についてお話しました。
本日は、任意売却のメリット・デメリットをお話していきます。
【任意売却のメリット】
任意売却のメリットはなんといってもローンが完済できなくても家を売れることですが、その他にもメリットはあります。
●仲介と同じように家を売れる
仲介と任意売却で家を売るのにさほど差はありません。市場相場と同様の価格で販売できるので、家が売却できればその分住宅ローンの返済額も減らせます。
また、売却方法が通常とさほど変わりがないので、ご近所や勤め先の方に住宅ローンが苦しくなり家を売却するということがバレにくいです。
●手数料を売却額から出せる
家は売却するにも仲介手数料や税金など費用が発生します。競売などで強制的に家を売却されてしまうと、手数料は自己資金で支払わなくてはなりませんが、任意売却なら売却額の中から差し引くことが可能 です。
つまり、自己資金を出す必要がなく、預貯金が少ない場合でも安心して任意売却の専門業者を頼ることができます。
●残債を分割返済できる
家の売却額だけでローンを完済できない場合、ローンの残り残債ができます。通常家を売却する際、残債は自己資金を補填するなどして金融機関に一括返済をしなくてはなりません。
しかし、任意売却なら残債ができてしまっても、家を売却後に月々の分割返済が可能 です。
毎月の返済額が5000円~2万円程度に設定されることが多く、返済する側が無理なく返済ができます。
【任意売却のデメリット】
ローンを一括返済する必要がなく良いことばかりに見える任意売却ですが、デメリットもあります。
●金融機関が認めづらい
任意売却を行うためには必ず、金融機関に承諾をもらわなくてはなりません 。しかし、任意売却で家を売却し残債が出た場合、金融機関は無担保の状態で残債を返済してもらわなくてはならず、リスクを背負うことになります。
また、銀行は長い年月をかけて返済してくれた方が利子分の利益を得ることができるので、なるべく通常通りに返済して欲しいと考えています。
そのため、離婚や住宅ローンの滞納など、やむを得ない事情がない限りなかなか任意売却を認めてくれません 。銀行との交渉や専門業者探しなど、通常の仲介で家を売るより時間も手間もかかるでしょう。
●売却額が手元に残らない
通常、家を売った際に出た売却額をどのように使うかは家の売主の自由です。しかし、任意売却の場合、基本的に額はすべて住宅ローンの返済 にあてられます。売主が売却額を自由にできるのは、ローンを返済して売却額に余りが出た時のみ。
必要経費や家を明け渡す際の引っ越し費用などは、最初に金融機関との交渉で売却額から捻出しなくてはなりません。
●競売になってしまう場合もある
ローンを何ヶ月も滞納してしまい督促状が届いている場合、任意売却を行っているからといって安心はできません。あまり長く売れない場合は、競売を申し立てられてしまう でしょう。
競売が決まり買主が見つかってしまえば、もう任意売却で買主を探すことはできません。状況によっては任意売却を行っても意味のないものになってしまいます。
長くなってしまったので今回のお話はここまでです。
任意売却の流れは次回お話ししたいと思います。