自営業者の場合、売上がそのまま所得になるわけではありません。
売上から経費を引いた額が所得として手元に残ることになります。
そこで、自営業者の場合は売上ではなく所得金額で審査が行われます。この点は、給与所得者とは大きく違うところです。
例えば売上は500万円あったとしても所得金額が200万円で確定申告をしていればその年の年収は200万円となります。
また、多くの金融機関では、自営業者が住宅ローンに申し込む条件として「所得が直近の3年連続で黒字であること」としています。
3期連続して黒字であることで、事業が安定していると判断しやすいからです。もし所得が赤字の年があると、住宅ローンの審査に通ることが難しくなります。
ただし3年連続でなくとも、実績として利益が出ていれば勘案した上で対応する金融機関もあります。
1期だけ所得が高かったとしても、審査の基準となるのは3期の平均です。
金融機関によっては、平均ではなく、一番低い所得を基準にするところもあるようです。
もしも1期目の所得が200万円、2期目の所得が800万円、3期目の所得が200万円というように波がある場合、2期目の800万円を基準とするわけではなく、平均である400万円、もしくは最も低い200万円を基準として審査されることになります。
なお、会社役員の場合には、個人の所得と、会社の決算書も必要になります。
法人名義ではないのになぜ必要かというと、融資期間中、「会社が安泰か」「給与が適正か」ということを審査で見られるからです。
つまり、会社の代表者や役員の場合は、
・自身の確定申告書(所得が分かる書類、中には源泉徴収票もあり)+会社の決算書
この2つが必要になります。
その他には自営業の方は税金やローンの滞納があると、住宅ローンの審査に大きく影響してしまいますので注意しましょう。
住宅ローンの審査時には納税証明書の提出を求められますが、これは、税金の滞納がないかどうかを金融機関側が確認するためです。
もしも納めるべき税金を滞納している場合は、必ず納税してから証明書を申請して金融機関に提出しましょう。健康保険料や国民年金も同様に、滞納していると審査に大きく影響します。
源泉徴収票をもらって働いているサラリーマンと同じですが、住宅ローンは金融機関によって返済比率の上限が決められており、その比率を超える融資はできません。
年収に応じた返済負担比率は、30%~35%以下を基準とすることが多いですが、返済比率は住宅ローンのほかに、カーローンなどその他のローンの借り入れも含めた合計で計算されます。
住宅ローンを入れると返済比率を超えてしまう場合は、他の借り入れをできるだけ減らしてから申し込むこともポイントです。
さらにクレジットカードやローンの支払いなどを滞納してしまうと、信用情報に登録される場合があります。審査の時には信用情報を照会するため、滞納履歴がある人は審査に通りにくいことがあるのです。
ただし、信用情報は永久に残るわけではありません。
もし過去に税金やローンなどを滞納したことがある人は、一度自分の信用情報を信用情報機関から取り寄せて確認してみるといいでしょう。
取り寄せには信用情報機関へ費用を支払ったうえで、郵送やインターネットなどで取り寄せることができます。