不動産の物件を探していると備考欄などに「心理的瑕疵あり」という記載を発見することがあります。「しんりてきかし」と読みます。一体それはどういった物件なのかをこのページではお伝えします。
不動産売買の契約において、不動産賃貸の契約においても気をつけておきたい事項です。解決策も含めてしっかりおさえておきましょう。
まずは「心理的な瑕疵」(しんりてきなかし)の例です。
・過去に販売、賃貸募集している住宅(建物)で「自殺・殺人」などがあった。
・過去に販売、賃貸募集している住宅(建物)で「事件や事故による死亡」などがあった。
・過去に販売、賃貸募集している住宅(建物)周辺で「事件・事故・火災」等があった。
・販売、賃貸募集している物件の周辺に「嫌悪施設」がある。
・販売、賃貸募集している物件の周辺に「指定暴力団等の事務所」がある。
※嫌悪施設とは・・・嫌われている施設という意味で、小学校・中学校等・清掃工場・葬儀場・火葬場・工場・遊戯施設・原子力発電所等・刑務所・産業廃棄物処理場・下水処理場・ガスタンク・風俗営業店など環境悪化や騒音・悪臭・大気汚染・土壌汚染などを誘発する施設などを言います。
小学校などが入っているのは、学校の放送や子供の遊ぶ声、通学の際のいたずらを懸念する人がいます。わかり易い物を記載してみました。
以上のものを一見しても非常に分かりにくいかもしれませんが、一つの基準があります。「その事(施設)がある事が契約前から分かっていたら、契約(購入)をしなかった。」という様に「買主さんや借主さん」に言われてしまうと「心理的な瑕疵」に該当してしまうと言う事です。
「そんな一方的な話って あるの」と思ったと思いますが、これが「心理的な瑕疵」というものなんです。
あくまでも、受け手側(この場合だと買主がどの様に感じるか)が重要視されます。この考え方だと、Aさんは平気だけどBさんは拒絶する・・・。この様な、ある意味「曖昧」な部分を含んでいます。しかし、認められているものですので、非常に注意が必要とされます。
大家さんにとっての注意点は、この「心理的な瑕疵」をどの様にすればいいのか?
原則として、埼玉開発のような仲介もしている様な「不動産会社」に相談することをお勧めします。
ここで分かりやすく、例を出してお話します。
ある不動産の取引で、自宅で病気の為に家族が亡くなった家がありました。
不動産屋さんに依頼して、売却をするとすぐ「購入希望者」が見つかりました。
自宅で病気で亡くなった家族のことなど、通常の取引では「大変な事」とは思えずに購入希望者にも、不動産会社にも伝えていませんでした。
購入希望者の方も、話し合ううちに「意思が固そうな方」という印象でしたから、話もスムーズに進んでいました。
そのまま交渉も進み「購入申し込み」となりました。
ところが、
ある日突然、不動産会社に「購入希望者」から大変怒った電話が入り、購入申し込みの「キャンセル」が入りました。
その経緯はとは。
購入希望者の方が購入申込をした物件を、時間が空いたので「外から眺めに」現地に行きました。
すると、近所に住んでいる「年配の方」が購入希望者に近寄り、気さくに話しかけました。
購入希望者の方も、ご近所さんとなる「年配の方」ですから話をしますね。ところが、この「年配の方」近所でも評判の良くない方で「話を大げさにする」のが得意の方でした。
購入希望者は、そんな事は全く分かりません。
「年配の方」の話によると、購入希望の家では「ここ数年で変死や病死が続いて、殺人の疑いがある」ような話をしていたのです。
そんな話を聞かされた購入希望者は、心中穏やかでいられるハズもありません。
こんな事があって先ほどの「キャンセル」に繋がってしまいました。
その後、あわてた不動産屋さんが売主さんに事情を話すと「年配の方」の正体が分かりました。
そこで、購入希望者に事情を話してみましたが後の祭りです。
人は、先に入った情報が「強くなる」事と、事前に「分かっている事を教えてくれなかった」という印象を強くしてしまい「キャンセル」が覆る事はありませんでした。
不動産の売買契約までは至っていませんが、契約を済ました後だったらちょっと寒気がしますね。
一歩間違えると、とんでもないトラブルに発展するところでした。
こんな事が起きたりするのです。
話をもとに戻します。
この「心理的な瑕疵」を回避するには「出来る限り全て」を説明する事、契約書に記載する事などしかありません。
その事によって「説明した=契約書に記載がある=確認した=署名した=了解した」という事になります。
現時点では、これを上回るいい手などありません。現在の不動産業者が作成する「重要事項説明書・売買契約書」は、こういった説明が執拗に入っています。
それは、必要だからなんです。
明日は「告知義務」についてもう少し掘り下げてお話していきます。