マンションの１室を購入する場合、土地の購入や中古住宅の購入と少し違うことがあります。
知っているようで知らないことがあるかもしれませんので、ここで一度整理しておきましょう。
まず、マンションの１室を購入するということは、具体的にはどういうことなのでしょうか。
マンションを購入するということは一口で言いますと、『単独の部屋を自由に使用・収益できる権利（単独の所有権と、共用部分を共同利用できる権利（共有の所有権）を購入する』ということです。
それでは、何が『単独の所有権』で、何が『共有の所有権』なのでしょうか。
以下、簡単にまとめてみました。
『単独の所有権のもの』
●部屋の内部
あたりまえですが、部屋の内部は自分のものです。単独の所有権があり、自由に使用したり、人に貸して家賃をもらうことができます。
『共有の所有権のもの』
●エレベーターや廊下は共用部分といって、マンションの各部屋の所有者の「共用」になります。
●エントランスや、管理人室、屋上を共用部分です。
●バルコニーやベランダも共用部分です。
ベランダやバルコニーは、火災の際の避難通路になっています。
自由に所有者が使用し、避難の妨げになるようなものを置かれては困るので、共用部分になっているのです。
●お隣さんとの間の壁も共用部分です。
お隣との壁を、自由に削ったりされると困ります。
また、隣同士の２部屋を買った人が、壁を壊したりして、建物本体の強度に重大な損傷を与えても大変です。
ですから、部屋の所有権は、壁の内側の面積だけとし、壁は単独の所有権から除外されるのです。
●マンションが建っている土地も共有になります。
しかし、敷地権の登記というものがあり、建物の区分所有者（部屋の所有者）が自動的に土地の共有者になるように登記されている場合がほとんどです。
●駐車場やゴミ置場も共有です。
●たまに一階のお部屋に「専用庭」なるものが付いている場合がありますが、この「専用庭」も厳密には「共用」です。
自分勝手に改造したりはできません。
このように、マンションを購入しても、自分だけの意図ではどうにもならないことが多くあります。
ですから、「何が自由になって、何が自由にならない」のかをしっかり把握しておきましょう。
