エアコンが壊れたり、過度な節電、終業時間を過ぎるとエアコンの稼働台数を減らすなどなど、色んな理由で職場がやたらと暑いということがたまにありますよね。
こうした職場では、外の気温より室温の方が高いという場合もあるかもしれません。
こうなってくると、働いている方も健康に支障が生じかねないのですが、これについて法的な規制はあるでしょうか?
まず、大きなところでは、労働契約法に次の条文があります。
(労働者の安全への配慮)
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
いわゆる使用者が労働者に対して負う安全配慮義務について定めた条文です。
この条文からすれば、病気になるような暑い職場はダメ!ということになり、場合によっては、安全配慮義務違反で損害賠償も可能ということになります。
それでは、実際に室温を何度にすればいい、というような規定はあるでしょうか?
これは、労働安全衛生法に基づく厚生労働省令として事務所衛生基準規則が定められており、その中で、次のような規定を置いています。
事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温17度以上28度以下及び相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない。
室温は17度~28度!
湿度は40%~70%!
このようになるように努めなければならない、とされています。
ただこれは空気調和設備(エアコン)がある事務所でのものなので、エアコンがない職場は対象外のようです(エアコンがなければ気温を低くしようがないので)。
また、この規則自体は、事務所で働く労働者用のものなので、それ以外の労働者については除かれます。
一般的なものとしては、指針があり、そこでは次のように定めています。
第2の1(2) 温熱条件
屋内作業場においては、作業の態様、季節等に応じて温度、湿度等の温熱条件を適切な状態に保つこと。また、屋外作業場については、夏季及び冬季における外気温等の影響を緩和するための措置を講ずることが望ましいこと。
屋内では「作業の態様、季節等に応じて温度、湿度等の温熱条件を適切な状態に保つこと」、屋外では「夏季・・における外気温等の影響を緩和するための措置を講じること」とのことです。
とりえあず、快適な気温になるようにしましょうということです。
最後に、現在は、多くのオフィスが空調によって室温が管理されています。そして、近年では省エネの影響で冷房は高めに、暖房は低めの温度設定になっているところが多いでしょう。
しかし、あまり温度が高すぎたり低すぎたりすると、体調や仕事の効率に影響が出てきます。また、電子機器にも影響が出てくるでしょう。特に、夏場は28度以上の室温の場合電子機器に影響があります。パソコンなどを使用している場合は必ず28度以下に設定しましょう。