昔、「2000年問題」が騒がれたことがあります。
2000年になるとコンピュータが誤作動する懸念です。対応に追われた方も多くいらっしゃったと思いますが、それほど大きな問題とならなかったと記憶している方が大半ではないでしょうか。
今回は以前もお話したことのある「2022年問題」についてお話します。
2022年問題とは、生産緑地に関する話です。
ご存知の方もいると思いますが、簡潔にいいますと「2022年に多くの生産緑地が一斉に指定を解除され、大量の宅地が市場に供給される」という問題です。生産緑地とは生産緑地法に基づいて指定を受けた土地のことで、その指定を受けると地主は農業を営むことが義務付けられる一方、固定資産税の減免や相続税の納税猶予などの税制猶予を受けられます。
この税制優遇を受けるために生産緑地の指定を受けた地主の方が多いのですが、問題なのは指定を受けた時期と生産緑地の期間。生産緑地法が改正されたのが今からちょうど30年前の1992年。現在3大都市圏にある生産緑地の約8割がこの1992年の改正時に指定を受けたものと言われており、今年がちょうど30年目なんです。
生産緑地の期間の満了は指定後30年を経過した時点。すなわち今年、大量の生産緑地が期間を満了することになります。
どの程度「大量」なのかというと、三大都市圏の都市圏だけで約13,000ヘクタールもの生産緑地があるとのことなのでおわかりいただけるのではないでしょうか。
30年経過後、直ちに指定解除となるわけではありませんが、まずは市区町村への買取申出等の手順を経ることになります。一部は市区町村が買い取ることもあると思いますが、財政難で公有地を売却する行政が多い中でそれはごく一部に限られと思います。
結論、多くの土地が市場に出るのは明らかではないでしょうか。