毎年春になると「黄砂が飛んできています」というニュースを耳にしますが、黄砂はどこから飛んできて、どんな問題が起きるのか、知っていますか?
黄砂は、中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原などの砂漠地帯から舞い上がった砂が、偏西風に乗って飛んでくるものをいいます。
風によって舞いあげられた黄砂は、中国大陸の工業地帯のスモッグの中を通過し、硫黄酸化物、窒素酸化物、水銀などの重金属などの大気汚染物質を吸着するので、人体に悪影響があるといわれています。
大気汚染物質を吸着した黄砂は、身体によくないといわれていますが、それだけではありません。黄砂が降ってくる地域の生産物や生活環境にも重大な被害をもたらします。
また、大気中に黄砂の粒子が浮遊することで、その粒子を核として雲を発生させたり、雨が降ることで地球全体の気候に影響を及ぼしています。
影響は、海にもあります。海に降ってきた黄砂は、海のプランクトンが栄養とするミネラル分の供給にも影響を及ぼし、実際の量はわかっていませんが、海の生態系にも影響を与えていると考えられています。
黄砂を吸い込んだことで咳が出るようになり、なかなか治らないという人も増えています。一見すると風邪のように見えるので、風邪と診断されることもありますが、黄砂によってアレルギーに悩まされている人が近年増えています。
乾いた咳が続くようでしたら、病院に行って医師の診断を仰ぐことをおすすめします。
黄砂が降っているかどうか知るためには、気象庁に黄砂情報ページがあります。
また、環境省では大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」というページがありますので、それをチェックするとよいでしょう。
日本に多くやってくる黄砂の大きさは、花粉より小さい粒子だと言われています。黄砂が降っているとわかったら、また、洗濯物を外に干さない、できるだけ窓を開けないなども対策となります。