その昔高句麗の滅亡によって居場所を失い日本にやってきた高句麗人たちが住む場所として設置されたのが現在の日高市付近にあった高麗郡です。
現在でも、高句麗人たちが住んでいた名残がたくさん残っています。
前回の続き今回もお話していきます。
・高麗川
横手渓谷西武池袋線の武蔵横手から線路沿いに南東に進むと、高麗川横手渓谷があります。
両岸とも木々に囲まれていて、都会から近いとは思えない自然が広がっています。
川沿いには遊歩道も整備されているので、渓谷をバックに川のすぐ横を走る電車の姿が見られたりするため、散策や写真撮影など各々楽しむ人の姿がよく見られます。
春には新緑、秋には紅葉と季節によっても表情を変え、川で釣りをしたり夏には水遊びをしたりと自然と触れ合いながら遊ぶこともできます。
川の流れはあまり急ではなく水深も深くないので、注意は必要ですが遊びやすい川です。
・白銀平
物見山とも呼ばれる岩山で、ミツバツツジやアセビなどたくさんの花が咲き、野鳥も多く生息しているので春の花や秋の紅葉を楽しみながら自然を楽しめるスポットとして人気です。
白銀平と呼ばれるようになった由来であるアセビの花は、春になると崖を覆うように白い小さな花を咲かせます。
標高約190mと決して高い山ではないので、誰でも気軽に登ることができることも人気の理由の一つです。
山頂まで登り切ると展望台があり、日光や丹沢、奥多摩などの関東平野を一望できる眺めの良いスポットで、遠くにはスカイツリーが見えることもあります。
夜景はもちろん、夏であれば花火大会を見ることもできる、かなり良い展望スポットになっています。
・霊巌寺
高麗神社から高麗川を挟んですぐ近くにある霊巌寺は、正確にはわかっていませんが1000年以上の歴史があるとされています。
この周辺には昔水田が多く、お地蔵さまが病気で田植えをできなかった村人のために田植えを手伝ってくれたという田植え地蔵という伝説が残っている地でもあります。
現在の霊巌寺を有名にしているのは、樹齢400年を超えるとされる立派なしだれ桜です。
四方に広がる太い枝から地面すれすれまでたくさんの花がついた枝が垂れ下がり、その美しい姿を見るために全国から人々が集まります。
霊巌寺は火災にあい本堂や山門は消失してしまいましたが、この桜は火災から地蔵尊が描かれた掛け軸を守ったという伝説もあります。
地名や名所など随所に高句麗から来た人々が感じられる日高市ですが、韓国式というわけではなく、日本の風土に馴染み同じように生活してきたことがわかると思います。
自然がたくさん残っている場所でもあるので、新型コロナウイルスが終息した時には日高市の四季折々の姿を見に訪れてみてはいかがでしょうか。