寒い冬、ぬくもりを求め車のエンジンルームに入り込んでしまう猫って意外と多いようです。
エンジンをかけた途端、びっくりしてベルトなどの回転部分に巻き込まれ、大惨事に…。
そんな悲しい事故を防ぐべく、日産が提案した“猫バンバン”プロジェクトをご紹介します。
寒い時期には要注意!エンジンルームで暖を取るネコチャン。
肌を刺すような冷たい空気の冬に、暖かい場所を求めるのは人だけではありません。
寒さが苦手な動物の中でも、その印象が強いのは猫ではないでしょうか。
こたつの中で丸くなって目を細めて眠る姿を想像することは容易いですよね。
家の中ならば、ほかにもヒーターのそばや日差しが差し込む窓辺など、いくつもある暖かい場所からお気に入りの場所を選ぶこともできます。
しかし、縄張りを外に持っている猫にとって、暖かい場所を確保できるかどうかは死活問題となるんです。
そんな猫にとってエンジンを切ったばかりの車のエンジンルームは、暖を取るのに最適の居場所なんです。
しかも、ボンネットのおかげで雨風もしのげるのだから贅沢な空間極まりない、といったところでしょう。
そんな猫たちにとっては理想的な寝床だから、しなやかな体をくねらせてするりと部品と部品の隙間からエンジンルームへと入り込んでしまうんです。
姿が見えないからといって安心はできません。
ところで、猫は一日の大半を寝て過ごすのはご存じですか?
その呼び名は “寝子“ から付いたと言われているほどです。
つまり、寝ることが大好きな猫が暖かくて居心地の良いエンジンルームに入り込んだまま、ぐっすりと熟睡してしまっている可能性だってあります。
「猫は警戒心が強いんだから人間が車に近づいてきたら敏感に察知して逃げるでしょ」。そうとも限りません。
JAFが公表した情報によると、2019年1月の1か月だけでも「エンジンルームに動物が入り込んでしまった」という救援要請が27件もあり、うち25件は 猫だったそうです。
人間が近づいてきても、エンジンルームにとどまる猫が少なくないということなんです。
もしエンジンをかけるまで気がつかなかったら、猫はエンジンの熱で火傷を負ってしまったり、ベルトやファンに巻き込まれて怪我をしてしまったりして最悪死に至ることもあります。
その小さな命を救うために寒くなってきたら、エンジンスタート前の「猫バンバン」。
エンジンをかける前に優しさの「猫バンバン」を。
可愛い猫たちがそんな痛ましい事故に遭わないためにも、エンジンをかける前にはボンネットを「バンバン」と手で叩いて知らせてあげることが防止につながります。
大きな音で驚かせるなんてかわいそうかもしれないが、「猫バンバン」は猫たちの安全のためなんです。
「今から車が動くよ。ネコチャン、中にいるなら出てきてね」と、その優しい心が猫たちを救うことになります。
そして、「猫バンバン」のあとには、最後に念のため耳を澄ませてみて下さい。
鳴き声はしないだろうか?繊細な猫だと驚きに硬直してしまい、中で縮こまってしまっているかもしれないのだ。
「かもしれない運転」の心得と同様に、「かもしれない猫」でいたましい事故を未然に防ぎましょう!
万が一、猫がいることは分かっていてどうしてもエンジンルームから出てきてくれない場合には、“バンバン“ ではなく車のホーンを “プッ“ と鳴らしてみるのも効果的なようですよ!