今回のテーマは少しタイミングがずれてしまっていますが、夏の麺料理の定番、「そうめん」と「ひやむぎ」の違いについてお話します。
暑い日でもとツルツルっと食べることのできる「そうめん」と「ひやむぎ」。 しかしこの2つ、見た目はそっくりですが、まったく別の物です。
この2つの違いは?と考えてみると真っ先に思い浮かぶのは「太さ」ではないでしょうか?
実は、乾めんの太さの定義(JAS規格)があり明確になっているんです。
・そうめん: 直径1.3mm未満
・ひやむぎ : 直径1.3mm以上、1.7mm未満
1.7mm以上になると冷や麦ではなく「うどん」。幅4.5mm以上、厚さ2.0mm未満だと「きしめん」、とこちらはだいぶ太めに。どれも細かな規定が決められているのですね。
ですが、そうめん、ひやむぎともに、機械製で作る「乾麺類」と、手作業による「手延べ干し麺」の2種類の製法があり、手作業で作る麺に限っては、1.7mm未満のものはそうめんでも冷や麦でも、どちらで呼んでも構わないのだそう。
理由としては、機械できっちり切りわける乾麺類と違って、生地を延ばして作る手延べ麺は、一本の中でも細いところがあったり太いところがあったりと明確な基準を設けるのがむずかしいため、1.7mm以下であればどちらでもいいですよ、ということになっています。その為、手延べ麺に関しては「1.5mmのそうめん」というのもあり得ます。
また、そうめんとひやむぎでは原料に違いはありませんが、乾麺類と手延べ麺では「油」が入るか入らないかがポイントに。手作業で時間をかけて作る手延べ麺には、途中で表面が乾いてしまわないように油が含まれているものが多く、そのおかげで風味が少し変わってくるんだとか。そうめんか冷や麦かよりも、どうやら、乾麺類か手延べ麺か、の方が違いが大きそうです。今度、そうめんか冷や麦を買う際は、製法にもぜひ注目してみて。
余談ですが、そうめんやひやむぎに入っている色がついた麺を見かけたことあると思いますが、 あれはもともとひやむぎだけに入っていたものだそうです。
見かけが似ているそうめんとひやむぎは、製造者たちでさえ見分けるのがむずかしいため、色付きが入っているのがひやむぎ、入っていないのがそうめん、として区別していたんだとか。今では飾り麺としてそうめんにも含まれていますが、ちゃんと意味があるものなんですよ。